数学で点を取りたければ分数計算がオススメな理由

土台からチェックしよう

大学受験数学はむずかしくない

ある程度の日本語が話せる人なら、大学受験レベルの数学にはセンスは不要です。それは私の実感です。センスが必要になるのは、大学でも学部課程に入ってからでしょう。それまでに学ぶことの大半は何十年も前に結論は出ていることばかりだからです。

言いかえれば、論理的な話が理解できてそれを使えるようになれば、大学受験の数学の問題の大半は解けるのです。掛け算九九を覚える力があって、順番に学びさえすれば大学受験数学程度なら、誰でも理解できることばかりだからです。

でも高校数学はやさしくはない

ところが実際には、高校数学は難しいというのが圧倒的多数の人の意見でしょう。実際三角関数や微分積分はおろか、因数分解でも訳が分からないという子どもたちのなんと多いことか。

どうしてそんなことになるのでしょう?

いくつかの原因が考えられますが、一番大きな問題は、教わった内容がどれくらい理解したかやどれくらい使えるよう人あったのかをほとんど確かめずに授業がどんどん進んでしまうことです。

ところが算数数学は、以前に習ったことを道具になっていないと、次の単元を理解することもむずかしいのです。

算数・数学は大河ドラマなのです

まずは数の数え方を学びます。

次に足し算を習います。

次に引き算を習います。

その次に足し算の筆算を習います。

足し算の筆算の繰り上がりでは引き算を使います。

掛け算の仕組みを理解するためには足し算が不可欠です。

筆算の割り算をするためには、掛け算も足し算も引き算も「ほとんど考え込まずに」できないとつらいものがあります。

高校数学になると多少の分かれ道はあります。とは言っても大学受験数学程度までは、言ってみれば一つの物語ようになっています。

だから、それまで習ったことが、血となり肉となっていないと、理解することもむずかしいのです。

そしてテストで点を取るためには、最後の方まで道具にしておかないといけないということなのです。

社会や理科は単発ドラマです

社会や理科なら、あちらこちらに穴があってもなんとかなります。

大阪の地理を全然知らなくても、北海道の地理を調べることはできますよね?

昆虫の完全変態と不完全変態の違いを知らなくても、塩酸にアルミニウムを入れたら水素が出てくる様子を見ることもできますよね?

月の満ち欠けの説明ができなくても、星座を見て楽しんだり、ギリシャ神話とのつながりを覚えたりもできます。

まず分数が苦じゃない程度になるまで練習しましょう

でもね、因数分解ができなければ微分計算の仕組みはわかりません。連立方程式が解けなければ、数列の漸化式には歯が立ちません。

それも「なんとかできる」レベルではダメなのです。ほとんど考えずに連立方程式が解けなければ、高校数学の内容は理解できないのです。

ところが、分数が出てきたら「嫌だなぁ」と思ってしまう子どもたちがとても多いのが現実です。そんな状態のまま高校数学を理解させようとするのは、顔を水につけるのが怖い人にスキューバーダイビングに挑戦させるようなことだ、と言っても過言ではありません。

そんなわけで、数学が苦手なら、スラスラと分数計算ができるようになることから始めるのが一番の近道なのです。