「学んだ力」より「学ぶ力」

「学ぶ力」が大事な理由

学力には「学んだ力」と「学ぶ力」の二種類があります。

学校などで問題にされるのは、主に「学んだ力」ですが一人ひとりの人間にとっては「学ぶ力」の方が圧倒的に重要です。

九九は忘れてもスマホの電卓で十分ですが、自分が物事をどう覚えるのかは、一生使える道具だからです。

学校のテストでは「学んだ力」を測る

例として掛け算九九で考えてみましょう。

生まれつき九九を覚えている子どもはどこにもいません。だから九九を唱えて覚えます。

学校で覚えるか、公文などの塾で覚えるのかという違いはあっても、どこかで唱えて覚えたはずです。

1から9までどの段も言えるようになったら、逆さ九九とか言って

8×9=72 8×8=64 ……

などと練習することもあります。

そうして、7×8 でも 9×6 でもいきなり言われてもすぐに 56 54 などと出てくるようになったら

掛け算九九が身についた

ということです。

身についたかどうか?

どの段が弱いか?

といったことは、テストをすればすぐにわかります。

こんなふうにテストで測れる学力が、「学んだ力」です。

覚える速さは方法や人によって大きく違う

私のささやかな経験で言っても、

掛け算九九が身につくまでどれくらいの労力が必要か?

は人によってものすごく違います。

どうすれば自分は早く九九を覚えることができるのか?

という問題の答えは、人によってまったく違うと言ってもいいでしょう。

ですから私が声を大にして言いたいのは

九九を覚えるのなら「どのように覚えたのか」がわかるように取り組む方が絶対にいい

ということです。

九九の覚え方は一人ひとり違う

問題は、九九を覚えるまでに「何をどうしたのか」がほとんど記録も残っていないので、よくわからないことです。

どのように身につけたのか?

はおそらく本人も見てはいない。

先生は絶対に知らない。

もちろんテストをしたって「学ぶ力」の実態

どんなふうに覚えていったのか?

はほとんどわからないのです。

でも

九九を覚えるために何をどれくらいしたら、自分にとっては十分なのか?

がわかれば、何かを覚えなければならなくなった時に「何をどれくらい頑張ればいいのか」の見当がつきますよね?

それって、すごくないですか?

どうせ九九を覚えるのなら

自分の「学ぶ力」を観察し記録しながら学ぶ方がいい

と私は思うのです。

私が開発したのは、そんなことができる教材です。

九九に限らず読み書き計算を身につける力=「学ぶ力」が観察できる教材なのです。