「スマホが起こす「自分病」って何?」

SNS依存症へ警鐘を鳴らす

和田秀樹 著 新講社 刊

統合失調症気質が蔓延する今日の日本?

和田秀樹氏によると、人間の性格を大きく分けると「シゾフレ型(統合失調症気質)」と「メランコ型(うつ病気質)」の二つのタイプになるそうです。そして、スマホに没頭している時は「シゾフレ型」が後押しされるということです。

和田秀樹氏の言う「統合失調症気質」というのは簡単にいうと、生きている現実の世界から意識の中心がずれていく傾向が強いということのようです。スマホの中、とりわけSNSに没頭すると、いま自分が生きている現実よりも仮想的な文字や画像・動画といったことの方が大事になっていくわけです。

そして主にSNSのつながりの中にある「自分」の存在が大きくなって「友達とのつながり」を大事にすればするほど、「現実の自分」が意識の中で希薄になっていくことを和田氏は「自分病」と名付けています。

「自分病」の症状としての「既読スルー恐怖症」

わかりやすいのは「既読スルー恐怖症」というべき現象かもしれません。LINEのメッセージが既読になってもなかなか返事をしないと仲間外れになってしまうというヤツです。

メッセージが現実世界の中に割って入ってきてすぐに返事をしなければいけないことだとすれば、実際に生きている現実世界の流れがぶった切られるわけですからね。

緊急の用件でもなければ明日でも明後日でも良さそうな「軽い話題」でもすぐに返事をしなければいけない、というのが常識になると現実の自分がフワフワと軽い、風船みたいなものになってしまう。

「これはもはや、ある種の依存症だ」いうのが和田氏の指摘です。

ありふれた病気としての依存症

依存症というと、とても深刻な病で、人格崩壊しているイメージがあるかもしれません。けれども実際には、ありきたりな病だとのことです。誰の目から見ても生活にも仕事にも支障が出ているほどではなくても、依存症であることはめずらしいことではありません。

スマホを中心とするSNSのその効果というのは、テレビが普及したときに比べれば、その時間も深さも比べ物にならないほど大きいのは間違いありません。

軽い「統合失調症」としての「自分症」にとって、SNSは病気を重くする要因となっていると思われます。

必要以上にSNSに時間を費やすのは、風邪をひいているのに、ガンガン冷房を効かせて寝るようなことなのです。

たまにはスマホにさわらない日を作るもの大事なのです。私自身も気をつけようと思いました。

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